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/ お客様からの質問と解答

ホームページ制作会社に「契約期間は6年です」と言われました。6年あれば閲覧環境も変わりそうですが、大丈夫でしょうか?

解答

6年契約には、合理的なメリットも、契約前に説明されにくいデメリットも、両方あります。判断には両方の理解が必要です。

本記事では、「6年という長期間」が引き起こす構造的な問題を中心に整理します。月額レンタル契約全般の仕組み、ホームページの寿命、契約形態の比較については、それぞれ別記事にまとめています。

メリット

6年契約には、いくつかの合理的な側面があります。

買い切りで作る場合、初期に数十万円から百万円超の制作費が一度に発生します。6年契約の月額方式なら、月額数万円に分散できるため、事業の立ち上げ期や急な大型支出を避けたい時期には、有効な選択肢になります。

月額固定で経理処理が単純になります。毎月同じ金額が出ていくため、予算化も容易です。

サーバー管理、SSL証明書、ドメイン更新、軽微な修正など、運用に必要な作業が契約に含まれていることも多くあります。専門知識のない事業者にとっては、「ホームページのことを業者に任せきりにできる」状態が作れます。6年間という長い期間、担当業者との関係が継続する安心感もあります。

これらは、ホームページに割ける時間や知見がない事業者にとって、実際に意味のあるメリットです。

知っておくべきデメリット

メリットの一方で、契約前に積極的には説明されないデメリットがあります。

閲覧環境は5〜6年で大きく変わります。ホームページの「閲覧環境」とは、訪問者が使う端末と、検索エンジンの評価基準のことです。過去20年を振り返ると、5〜6年に一度のペースで大きな変化が起きています。

  • 2007年〜:iPhone登場。「PC専用サイト」が一斉に古くなった
  • 2010年代半ば:レスポンシブデザインが標準化。固定幅サイトが評価を落とした
  • 2020年代前半:モバイルファースト・インデックス導入。スマホ対応が不十分なサイトが検索順位を落とした

6年間という契約期間は、このサイクルが1回分すっぽり収まる長さです。契約途中で閲覧環境が変わった時、対応する必要が出てきます。

しかし、契約期間中の閲覧環境変化への対応は、月額に含まれていません。月額には軽微な修正は含まれていても、ホームページ全体を時代に合わせて作り直す費用は、別途追加で発生します。これは契約書を読めば書いてあります。

そして、中途解約の条件は厳しい契約が多くあります。残期間分の支払いが求められるケース、解約自体が認められないケースなど、契約書の条文によります。結果として、陳腐化したサイトを6年間抱え続けることになりがちです。月額は払い続けているのに、ホームページは時代に合っていない、という状態です。

さらに、6年使ったドメインも、契約終了時に手元に残りません。月額レンタル契約では、ドメインも業者名義で取得・管理されているのが標準です。6年間積み上げてきた検索エンジンの評価、被リンク、お客様の記憶、すべてが契約終了とともに失われます。ドメインの問題については、別記事「ホームページ制作会社に『月額レンタル契約はいかがですか』と勧められました。これはどういう仕組みなのでしょうか?」をご覧ください。

やまだやの考え

そもそも、なぜ「6年」という期間が業界の標準になっているのでしょうか。

これは、リース契約の税制で決まっている期間の上限値です。

国税庁の規定により、ソフトウェアの法定耐用年数は5年と定められています。リース契約の期間は、法定耐用年数の70%以上、120%以下の範囲で設定するのが税務上の取り扱いです。

ソフトウェアの場合、最長は「5年 × 120% = 6年」になります。これがホームページ業界で「6年契約」が標準になっている起源です。

リース契約では、業者には契約成立時点で総額が一括入金されます。業者から見ると、月額を低く見せられた方が、お客様に提案しやすくなります。月額を低く見せるには、分割回数を多くする=契約期間を長くするのが最も簡単です。リース税制で許される上限である6年が選ばれたのは、こういう構造です。

ホームページの寿命、お客様の事業サイクル、閲覧環境の変化周期、いずれも「6年」を導く根拠にはなりません。「6年」は、業者側の販売都合から逆算された数字です

現在は信販会社経由のリース契約自体が減少していますが、業者と直接契約する月額制プランでも、「6年」という慣例だけは残っています。お客様にとっての合理性とは無関係に、業界標準として定着しているのです。

ホームページは作って公開して終わりではなく、閲覧環境や事業の変化に合わせて、育てていくものです。6年という固定契約は、この「育てる運用」と構造的に相性が悪い形態です。改善が必要な時に動けず、月額は払い続け、6年経過時には別ドメインで一からやり直し、という結末になります。

やまだやとしては、長い目で見て「買い切り+保守契約」をお勧めします。制作費を最初に支払い、ホームページの所有権を取得した上で、保守契約に更新作業を含めることで、ホームページを育てながら使い続ける運用ができます。閲覧環境の変化や事業の変化に合わせて、柔軟に対応できる形態です。

「6年契約」を提案された時、判断軸は月額の安さではなく、6年後に何が手元に残るかです。

やまだやのセカンドオピニオン

6年契約の提案を受けていて判断に迷っている方、すでに6年契約の途中で先行きに不安を感じている方は、やまだやのセカンドオピニオンをご利用ください。

提案中の契約書の内容確認、現在の契約条件の整理、6年後にホームページとドメインがどうなるかの見立て、買い切り+保守契約への切り替えを検討する場合の進め方を一緒に整理します。

やまだやで作り直すことを前提とした診断ではありません。今の契約を続ける判断材料を整えるためにも、別の形態を検討する判断材料を整えるためにも、お使いいただけます。