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/ お客様からの質問と解答

ホームページ制作会社から送られてきた原稿の下書きが、競合サイトでもよく見る一般論ばかりです。ヒアリングの意味はあったのですか?

解答

ヒアリングシートに書かれているのは、発注者本人が言葉にできる範囲の情報だけです。 読者の判断を動かす原稿に必要なのは、本人がまだ言葉にできていない強み、つまり「シートに書けないこと」のほうです。 本来のヒアリングは、シートを埋めさせる作業ではなく、シートに書けないことを引き出す工程を指します。 この工程が見積りに含まれていないと、出てくる原稿は一般論になります。

なお、原稿を誰が書くかという発注分担の話は、別記事「原稿は自分で書くものなのでしょうか?」で扱っています。

ヒアリングシートに書けることと、書けないこと

シートに書けるのは、発注者が普段から言葉にしている情報です。

  • 会社名・住所・代表者名
  • サービスメニュー
  • 創業年・社員数
  • 主要取引先
  • 強み(と本人が認識しているもの)
  • ターゲット顧客像(本人の認識)

これらは事実情報なので、シートで集まります。 原稿の骨組みにはなります。

問題は、発注者がまだ言葉にできていない強みのほうです。 これは、シートを送っただけでは出てきません。

「うちらしさ」がシートに乗らない理由

原稿で読者の心が動くのは、ほとんどが「言葉にしにくいこと」のほうです。

  • 同業他社と本当のところ何が違うか
  • なぜそのやり方を選んでいるか
  • どんな顧客が来て、何に困っていたか、どう解決したか
  • 業界では言わないが、本当は重要視している判断基準
  • 過去にあった失敗と、そこから変えたこと

これらは、本人にとって当たり前すぎて意識されていません。 30年やってきたことは、もう自慢する材料ではなくなっています。 本人が自分の言葉でシートに書くと、つい「丁寧な対応」「お客様第一」のような一般論で済ませてしまいます。

ほかの会社のホームページにも、同じ言葉が並んでいます。

30項目のシートで集まる情報の限界

制作会社が使うヒアリングシートで多いのは、次のような項目です。

  • 会社情報(基本情報)
  • 事業内容(箇条書きで)
  • ターゲット顧客(年代・地域・業種)
  • 強みを3つ
  • 競合との違い
  • 5年後のビジョン

「強み3つ」「競合との違い」を発注者本人に書かせる構成です。 ここに書かれた内容が、ほぼそのまま原稿の下敷きになります。

つまり、出てくる原稿の質は、シートを埋めた時点で決まっています。 30項目あっても50項目あっても、項目数で質は変わりません。 本人が言葉にできることを集めている工程だからです。

「ヒアリングをした」が意味すること

ヒアリングを「実施した」と「内容を引き出した」は別の話です。

シートを送って項目を埋めてもらった、という事実は、ヒアリングのプロセスがあったことを指します。 本人が自覚していない強みを引き出した、という結果は、ヒアリングの質があったことを指します。

プロセスがあれば質も担保される、という保証はありません。 30項目のシートを送ることは、引き出す工程の代わりにはなりません。

シートを埋めさせる作業は、見積りに入れやすいです。 引き出す工程は、時間も技術も必要なので、見積りに入れにくいです。 だから、商品の中に含まれていないことが多くあります。

発注者が確認できるサイン

出てきた下書きを、次の観点で読み返してください。

  • 同じ業界の他社サイトに、そっくり載せ替えても違和感がないか 違和感がなければ、その下書きは一般論です。
  • 読んで自社の社員が「うちのことだ」と頷くか 頷かなければ、本人の言葉が拾われていません。
  • 下書きに、ヒアリングシートに書いていない情報が入っているか 入っていなければ、シート以上の取材は行われていません。
  • 数字・具体名・固有名詞が入っているか 抽象的な形容詞だけで構成されていると、検索でもAIでも引用されません。

やまだやの原稿作成は、順序が逆です

やまだやは、ヒアリングシートを使いません。 発注者から話を聞いて、その内容を原稿に組み立てる、という順序でもありません。

先に原稿を書きます。 発注者の理想形を、こちらが言葉にして仮の原稿として提示します。

それを発注者に読んでもらい、「ここは違う」「ここはこういう意味では合っている」「うちはこう言いたい」という反応を集めます。 反応のなかに、本人がふだん使っていない言葉、まだ言語化していなかった判断基準、本当に大事にしていることが現れます。

人は、ゼロから自分の強みを書くことが苦手です。 でも、目の前に「これが理想形」と書かれたものがあれば、「いや、ここは違う」と反応できます。 反応のほうが、本物の言葉になります。

シートを埋めさせる制作とは、原稿に近づく順序が逆です。 シートを埋めさせる側は、本人が言葉にできるものだけを集めて、その範囲で原稿を組み立てます。 やまだやは、理想形を提示して、本人の反応からシートに書かれない情報を引き出します。

原稿の質に差が出るのは、ここです。

やまだやのセカンドオピニオン

ヒアリングと納品物のズレを感じたら、やまだやで下書きを確認できます。

  • ヒアリングで何を集めたか、シートと議事録を共有してください
  • 出てきた下書きの内容を見せてください
  • 「うちらしさ」が拾えていない箇所を指摘します
  • 引き出すべきだった情報の方向をお伝えします

やまだやで作り直すこと前提のサービスではありません。 いまの制作会社で原稿を立て直す方向の助言もします。