解答
データを引き渡してもらえないこと自体は、月額レンタル契約として珍しいことではありません。
契約上、ホームページのデータは業者の所有物です。お客様は使用料を払って使う権利を持っているだけで、データを受け取る権利は契約に含まれていません。
新しい業者に引き継ぐ場合、データそのものを移すのではなく、新しいホームページを別途作る、という前提で進めることになります。
なぜデータが渡されないのか
月額レンタル契約は、ホームページを「買う」契約ではなく「借りる」契約です。
ホームページを構成するデータは、複数の要素から成り立っています。ページのテンプレート、文章や画像が入ったコンテンツデータベース、デザインファイル(PSDやAIなどの素材データ)、独自に書かれたプログラム、サーバー設定、これらが組み合わさって1つのホームページを動かしています。
月額レンタル契約では、これらすべてが業者の所有物です。お客様は表示される画面を使う権利を持っているだけで、その背後にあるデータの所有権はありません。契約終了とともに、利用権が消えます。
業者の独自CMSを使っている場合は、そもそも他の環境で動かせる形でデータが存在しません。WordPressのような標準的なCMSではなく、その業者専用の仕組みで作られているからです。エクスポートして別の業者に渡しても、そのまま使える状態ではありません。
「データはお渡しできません」という回答は、契約形態の構造から出てくる必然です。借りる契約である以上、契約が終われば借りていたものは手元に残らない、というのが原則です。
デメリット
データが渡されないことで、いくつかの実害が発生します。
長年運用してきた文章や写真が、契約終了とともに失われます。お客様の声、サービス紹介の原稿、社員紹介、よくある質問、これらを書くために費やした時間も、形としては手元に残りません。
検索エンジンの評価も、ドメインが業者名義であれば、契約終了とともに失われます。何年もかけて積み上げてきた検索順位がリセットされます。
引き継ぎ作業が「移す」ではなく「作り直す」になります。新しい業者に渡せるものが少ないため、構築期間も費用も、ゼロから作るのとほぼ変わらなくなります。原稿が手元になければ、文章も写真も新しく用意するところから始まります。新しいホームページが公開できるまでの数ヶ月、検索からの集客が止まる期間も発生します。
やまだやの考え
データを渡してもらえないと知った時、最初に取るべき行動は、手作業での保存です。完璧な復元はできなくても、内容の一部は救えます。
表示されている文章は、ブラウザで開いてコピーして手元に残せます。各ページをまるごとPDFとして保存しておくと、レイアウトや構成の記録も残ります。新しいホームページを作るときの設計図として使えます。
画像はブラウザの保存機能で取れる場合がありますが、表示用に圧縮されたものになることが多く、印刷物や別用途への流用には耐えないことがあります。それでも、新しいホームページを作る時の参考素材としては使えます。
各ページのURLを一覧で控えておくことも重要です。新しいサイトを公開するときに、同じURL構造で作るか、もしくは旧URLから新URLへのリダイレクト設定を行えば、検索エンジンに積み上げた評価を一部引き継げる可能性があります。お問い合わせフォームに記録されたお客様情報も、契約期間中であれば取り出せる場合があります。
その上で、新しいホームページの構築は、買い切り+保守契約で進めることをおすすめします。同じ轍を踏まないためです。買い切りで作れば、契約終了時にデータが手元に残ります。業者を変える時も、データを持って次の業者に渡せます。
「データはお渡しできません」と言われた経験は、次の契約を選ぶ時の判断軸になります。次は「契約終了時にデータが手元に残るか」「ソースファイルやデータベースが渡されるか」を、見積り段階で書面で確認してください。WordPressのような標準的なCMSで作るか、独自CMSで作るかも、後の引き継ぎやすさを大きく左右する要素です。
やまだやのセカンドオピニオン
月額レンタル契約を解約して別の業者に引き継ぎたい方は、やまだやのセカンドオピニオンをご利用ください。
現在のホームページから救える内容の確認、ドメインの取り戻しの可否、新しいホームページの構築方針、契約終了までのスケジュールを一緒に整理します。やまだやで作り直すことを前提とした診断ではありません。