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リンクのアンカーテキストは「こちら」「詳しくはこちら」でも良いか?

リンクのアンカーテキストに「こちら」「詳しくはこちら」を使うのは避けたい——というのが結論です。アンカーテキストは、そのリンクの「行き先」を表す言葉にするのが原則。「こちら」では、クリックする前にどこへ行くのかが分からず、アクセシビリティ・SEO・ユーザビリティの3つすべての観点で機能しません。代わりに、リンク先の内容を表す具体的な言葉に書き換えます。

「こちら」「詳しくはこちら」がダメな理由は、リンクの行き先が分からないこと

アンカーテキストとは、リンクされた文字列のこと。HTMLでは<a>タグで囲まれた部分です。本来、アンカーテキストはクリックする前にどこへ行くのかが分かる言葉である必要があります。

「こちら」「詳しくはこちら」「もっと見る」「続きを読む」のようなテキストは、それ自体には何の情報もありません。リンクの行き先が「料金表」なのか「会社案内」なのか「お問い合わせフォーム」なのか、テキストを見ても分かりません。利用者は前後の文章を読まなければ、何のリンクなのかを判断できません。

この「前後を読まないと判断できない」状態が、3つの観点で問題を起こします。

実務上は、アンカーテキストを書くときに「このテキストだけ読んで、リンク先が想像できるか」を一度自問します。想像できなければ、リンク先の内容を表す言葉に直します。

「こちら」はアクセシビリティ・SEO・ユーザビリティの3つすべてで困る

1つ目はアクセシビリティ。スクリーンリーダーを使う人は、ページ内のリンクを一覧で表示して、目的のリンクへジャンプすることがあります。このとき表示されるのはアンカーテキストだけ。リスト上に「こちら」「こちら」「こちら」と並んでいたら、どれが何のリンクか識別できず、目的のページへたどり着けません。

2つ目はSEO。検索エンジンにとって、アンカーテキストはリンク先のページの内容を判断する手がかりの一つです。たとえば「料金表」というテキストでリンクが張られていれば、「リンク先のページは料金について書かれている」と推測できます。「こちら」では、検索エンジンに何の情報も渡せません。これはリンク先のページのSEO評価にも、リンク元のページ自体の評価にも、マイナスに働きます。

3つ目はユーザビリティ。視覚的にページをスキャンしている利用者も、「こちら」だけ見ても行き先が分からないので、前後の文章を読み返す必要があります。スマートフォンでは特にこの認知負荷が大きくなります。リンクテキスト自体に行き先の情報が含まれていれば、スキャンしながら必要なリンクだけ拾うことができます。

実務上は、自分のページに「こちら」リンクが残っていないかを、検索置換で一度チェックします。見つかったら、行き先の内容を表す言葉に書き換えます。

アンカーテキストは、リンク先の内容を表す言葉にする

書き換え方は単純です。「こちら」を、リンク先のページの内容を表す言葉に置き換える。

たとえば、「料金についてはこちらをご覧ください」は「料金表をご覧ください」に。「詳しくはこちら」は「サービスの詳細を見る」または「○○の解説を読む」に。「お申し込みはこちら」は「お申し込みフォームへ」に。「お問い合わせはこちら」は「お問い合わせフォームへ」または「やまだやへのお問い合わせ」のように、リンク先が分かる言葉を含めた表現にします。

ポイントは、アンカーテキストだけ読んでも、何のリンクかが意味として通ること。前後の文脈に頼らずに、リンクテキスト単体で行き先が伝わる状態を目指します。

なお、同じページ内に同じテキストで違うリンク先のリンクを作るのも、混乱の元になるので避けます。アンカーテキストが「サービスの詳細」なら、ページ内のそのテキストでリンクされている先はすべて同じURLにする、というのが原則です。

実務上は、ページ内の全リンクのアンカーテキストを書き出し、(1)それぞれのテキスト単体で行き先が分かるか、(2)同じテキストが異なるリンク先を指していないか、の2点を確認します。

まとめ

リンクのアンカーテキストに「こちら」「詳しくはこちら」を使うのは避けたい。理由は、リンクの行き先が分からず、アクセシビリティ・SEO・ユーザビリティの3つすべてで機能しないからです。

  • 「こちら」では、クリック前にリンク先が分からない
  • スクリーンリーダーのリンク一覧で識別できない(アクセシビリティ)
  • 検索エンジンにリンク先の内容が伝わらない(SEO)
  • スキャンしている利用者も、前後を読み返す必要が出る(ユーザビリティ)
  • 書き換え:リンク先の内容を表す言葉にする(「料金表をご覧ください」「サービスの詳細を見る」など)

アンカーテキストだけ読んで意味が通る状態——これが、リンクを正しく機能させる条件です。